2022W杯観戦記、十七日目(2022年12月10日)

決勝トーナメント・準々決勝・一日目

クロアチア・ブラジル(生観戦)

クロアチアは日本戦の時のような放り込み作戦を使わず、巧みにプレッシャーをかわして前に進んでいく。モドリッチはアンカーの位置から下がったり上がったり、また右に左に顔出して、グループリーグのベルギー戦のようなスタンス。

どちらもバチバチ攻め合うが、クロアチアはグバルディオルとリバコビッチ、ブラジルはチアゴシウバが決定的な場面を阻止する。

後半に入るとクロアチアはリバコビッチ劇場。ブラジルはどれだけ攻めてもこのキーパーを崩すことができない。一方のクロアチア、ブラジルのプレスをかわすことができても、アタッキングサードにボールを供給することができず、攻められない。

延長前半。交代して入ってきたFWのペトコビッチが穴となり、彼がセカンドボールを拾ってもすぐに囲まれて奪われる。ブラジルの猛攻も、クロアチアがボックス内に全員が入ってブロックを形成して攻めさせない。と思っていたら、AT1分にネイマールがガラっと空いたバイタルからスピードを上げてワンツーでゴール前に入り込み、キーパーを交わしてゴールを決める。劇的。

延長後半。ブラジルは少し重心を後ろに下げ、クロアチアはそれをチャンスとサイドからの攻撃を続ける。クロアチア、サイド攻撃続けるがものにならず。それでもしつこくサイドからクロスを上げていると、穴扱いされていたペトコビッチのダイレクトシュートがマルキーニョスに当たってコース変わり、アリソンくんノーチャンスでゴール。何という展開でしょう。

PKです。クロアチアが一人目ヴラシッチが決め、ブラジルの一人目はロドリゴ。なんでこの状況で、今日そこまで活躍できていない最年少を持ってくるのか。と不安に見ていたら、やっぱり止められる。悲しい。その後クロアチア、ブラジルと全員決め、4-2の状態で後攻のブラジル、マルキーニョス。ここで外したらブラジル負け、という状況で、マルキーニョスは左ポストに当ててしまい、ブラジル敗北。

二試合連続PKで勝ち上がりとか、クロアチア老獪過ぎる・・・ブラジルは天国から地獄だな。C1-1B(PK4-2)

オランダ・アルゼンチン(生観戦)

前半。アルゼンチンは相変わらずボールへの詰めが早い。オランダにろくにボールを前に運ばせない。ボールをカットしては攻め、オランダのディフェンスがそれを跳ね返すというパターン。

35分。メッシがバイタル付近でボールを持ち、囲まれたところからスルーパス、ボックス内でモリーナが受けてゴール。メッシから見たらマイナスの方向でモリーナのことなんか見えていないのでは?と思うのだが、あれ出すのがメッシなんだなあ、と妙に納得。

それにしても前半の内から、オランダ・アルゼンチンの両ベンチ内にまでイエローカードがでて、試合全体が荒れてきたように感じる。

後半。オランダのプレスが弱く、アルゼンチンが強引に縦突破するシーンが目立つ。一方でアルゼンチンは個々の詰めが早いので、オランダがアタッキングサードでボールを持てない。

メッシもボックス付近でボールを持つ機会が増え、怖いシーンが増える。そんな中、オランダのダンフリースがアクーニャを倒す。ボックスかどうか結構微妙な位置だったが、VAR入らずにPK。そんなんありか。メッシが決めて2-0。相変わらずのPKうま男。

アルゼンチンの「戻り早い」「詰め速い」「対人強い」を全く崩せないオランダは放り込み作戦に替えてきた模様。それが見事にはまり、右からのクロスにヴェフホルストが合わせて1点返す。

44分。パレデスがアケをタックルでなぎ倒して、起き上がりざまにオランダベンチにボールを蹴りこみ騒動に。ファンダイクがパレデスをボディアタックで吹き飛ばし、己のフィジカルモンスターぶりを証明する。パレデスにイエローカード。なんでレッドじゃないの?

ATが10分提示される。アルゼンチン激怒り。まあ半分くらいはお前らのせいだけどな。もう主審はよくわからん転びまでファウルを取るほど混乱している。めちゃくちゃ。

オランダもうだめなのか、と思ったAT11分、オランダがバイタル付近でFKを取る。誰もが直接狙うと思っていたところで、グラウンダーのパスが壁の横にいたヴェフホルストに提供され、彼が上手く振り向いてシュートしてゴール。まさかのトリックプレー。
笛が吹かれて大荒れに荒れる両チーム。審判もっとしっかりしろ。

延長前半。コイントスのためにセンターサークルにいるファンダイクを指して「オランダはファンダイクまで攻め気満々!」と興奮する実況氏。落ち着け。

アルゼンチンは全く選手たちの強度が落ちないのが凄い。オランダはせっかくうまくいっていたボール放り込み戦法を手放し、後半のイケイケムードが一気に消える。もうPKを狙ってるっぽい、消極的なスタンス。

延長後半。ついにディマリアが出てきて、右サイドからガンガンオランダゴールを脅かす。中でもエンツォ・フェルナンデスのシュートは左のポストにあたり外れる。さっきのブラジル戦の勝敗を決した場面といい、左のポストくん、今日は大活躍である。

PKです。先攻オランダはファンダイクが外してしまい、結果それが響いて後攻五人目、最終キッカーのラウタロ・マルティネスのときには3-3。これを決めたらサドンデスや!と期待していましたが、やっぱりエース級のメンタルの強さはさすがですね。きっちり決めてアルゼンチンが勝ちました。が、終わってからもひと悶着あり、もうなんか台無し。H2-2A(PK3-4)

俺の青春ことオランダ。今大会はあまりいいところを見せずに終わってしまいました。悲しい。

以上です。