2022年6月24日の日記

近所の文房具屋が閉店セールを始めたみたいです。久々に行ったらデカデカとセールの案内が張り出されていました。

子供の学校用文具はここが一番品揃えが良いので、困ります。と、一消費者が困っても、それ以上に困っているから閉店するわけで、ワガママ言ってもしょうがありません。というか私自身、半年ぶりくらいにお店に訪れているわけですから。

たしかにお店に入ると閑散としていて活気がない。まあ閉店だものな、と思いましたが、よくよく考えてみればこの店、普段からそんなに人が出入りしている雰囲気はなく、閉店セール前も後も変わらないっちゃ変わらない。

子供から明日必要、と今日言われたノートを探すと、すぐに見つかる。この品揃えの良さが助かります。次からはどこでノート買えばいいかなあ、と思いつつ、ノートを手に取ってレジに向かう。

無人

レジに人がいません。「すみませーん」と弱・中・強の三段階で呼びかけてみるけど、無反応。ははん、あれかな?自動ドアに反応して出てくるやつかな?と何度も自動ドアを開け閉めしてみるが、誰も出てこない。ザ・まぬけ。

昔徳島の山の中で蕎麦屋を見つけ、食べ終わってお会計する時に誰も出てきてくれなかった、あの思い出がよみがえります。誰も出てきてくれないけど、食い逃げするわけにいかないから、500円の蕎麦に1000円置いて店を後にした、あの苦い記憶。配膳してくれたおばさんはどこへ行ったのか。

とはいえここは東京都荒川区。店が開いていて人がいないのは道理に合わない。何らかの理由で出てこられないのか、もしかしたら店番のおじいちゃん、倒れているのかしら?と不安になり、二階のスタッフルームに続く階段を上ろうとしたところ、その足音を聞きつけた方が「上がってこないでください!」と私を叱る。ひどい。

パタパタと降りてきたパートのおばさんがレジを打つ。その間、閉店するの寂しいですね、と素直に気持ちを伝えてみると、「うーん、なんかアレ、お店続けるみたいですよ」と、おばさん非常に微妙な顔つきで教えてくれました。

「少し前までは閉めるつもりだったらしいけど、なんか続ける気になったみたい。だいたい、閉店セールを半年もやってるっておかしくない?」

半年?

何言ってんだろう、と思って改めて閉店セールの案内を見ると、たしかに12/1〜と書いてある。それも結構な大きさで。なぜこれを見逃したのだろう。ということはこの店は半年間セールをしていたのか。というか私の買ったこのノートは1円も値引きされていないのだが、セールとは一体。

つまるところ、半年前から閉店するつもりでセールをしていたこのお店は、結局閉店をせず、それどころかセールもしていないんじゃないかという疑惑まで残して、何もかもが今までと変わらない、荒川区的な、あまりにも荒川区的な結末がそこにはあり、私は安心して帰途につきました。