2023年1月8日の日記

毎年札幌で過ごすと、息子氏が運試しがてらクレーンゲームをやりたがるので困ります。クレーンゲームはそんなものではない。と言っているのに聞きません。

しかし本当に困るのは、息子氏がこういう時に限って大物を引いてしまうこと。過去二年連続でぬいぐるみを引き当てているのですが、持ち帰れないから、という理由で妻の実家に置き去りにされている彼らのことを思うと、幸せとは何か、と考えさせられます。

殺すなら、なぜ生き返らせた。というブラックジャック先生の言葉を君は知っているか?

ともあれ、今年も例に漏れず息子氏はクレーンゲームで大物をゲット。今年はキンピカの大きな手提げ袋に赤字で「大福袋」と書かれた禍々しいブツが手元にやってきました。毎年恒例のゲットだぜ写真も忘れずに撮ります。ご満悦な息子氏。

しかしこの福袋、中を覗いてみると筒状の何かが一つ、しかもかなり小さい。袋の大きさと文字に対して、中身が釣り合っていない。詐欺だ。と言いたいところでしたが、ここでクレームをつけると何か縁起が悪い気がするし、なにより大人げない。

どうせクレーンゲームの景品だし、ここはひとつ我慢して家に持ち帰ろう。と息子氏に持たせるのですが、取っ手を握った彼の手から地面までの距離に対して、福袋の丈がありすぎる。ズルズルと福を引きずりながら歩く息子氏。これはあまりにも体裁が悪い。

ということで、父親の面目躍如、キンピカのけばけばしい袋を提げて歩く40代男子の完成であります。なんかバカみたい。こういう日に限って混みあう札幌駅を抜け、混みあう地下鉄に乗り、混みあうバスに乗って帰宅します。2023年は世間の眼を気にしない、強靭な精神が欲しい。

さて、家に帰って謎の筒、開封の儀。と行きたいところですが、謎の筒は紙みたいにペラッペラな座布団が丸めてあっただけでした。開封もクソもありません。ビニールで真空状になっていたので、封を切ったらフカフカになるのかな?と思って開けたら、やっぱりペラッペラ。まあ知ってたけど。

座面には、よくわからないけど可愛げのない猫のキャラクターが描かれており、座ったら呪われそうな雰囲気がムンムンしています。えー、これ普段使いすんの?と、ちょっと遠慮したい気持ちが勝る。そんな絶妙に残念なデザイン。

しかもこれ、今までのと違って持ち帰れちゃうんですよね。ペラッペラで丸められるので。どこのすき間にも入ってやるよ的なやる気を、奴からビシビシと感じ取れるのです。やっぱり呪いの座布団なんじゃないの、コレ。

とはいえ、帰りのパッキングをしてみると、お土産やら家族の入りきらなかった荷物やらも私のスーツケースに詰めることになり、呪いの座布団の居場所はできませんでした。わあ残念。持ち帰れないや。わざとじゃないよ。

仕方ないので今年もまた置かせてください、と妻の実家にお願いしたところ、息子氏のためにお菓子を送ってくれる予定だったので、その箱に座布団を詰めて送ってくれることになりました。これくらいのブツなら緩衝材代わりに使えるでしょう。とのこと。やったぜ初の持ち帰り!

やっぱり呪いの座布団だよ、コレ。