2021年12月6日の日記

風呂に入って、何の意図もなくつい歌を口ずさんでしまうときの気持ちよさと言ったらありません。あえて「風呂歌」とでも名付けましょうか。メロディも歌詞もうろ覚えですが、そのままの勢いで、ゴリ押しで歌い続けるのが風呂歌の流儀です。

普段だと、マッチだのシブがき隊だのをつい口ずさんでしまうのですが、今日出てきた曲は河合奈保子の「けんかをやめて」でした。「けんかをやめて~ふたりをとめて~」で始まる、例のアレ。ド頭のサビを抜けるといきなり記憶があいまいになりますが、流儀にならって歌い続けます。

あいまいな記憶に従って、メロディに乗せて歌ってみると、結構クソみたいなストーリーが続くんですよね。え、ウソ、こんな曲だっけ?と思うんですが、そこからサビの「けんかをやめて、ふたりをとめて、私のために争わないで」にうまくつながるから、記憶にそこまで間違いはないんだろうな、とも思ったわけです。

で、あまりにも気になるものですから、風呂を出た後に歌詞を検索して読んでみました。ストーリーは大体以下のような感じでした。

・違うタイプの人を好きになっちゃうことってあるよね

・二股かけても距離間を保ち上手くやっていける自信があります

・結局ばれる(歌詞にない部分)

・二股かけられてた男同士のけんかになる(歌詞にない部分)

・「けんかをやめて!ふたりをとめて!私のために争わないで!」←今ココ

ガバガバじゃねーか!とスマホをぶん投げそうになりましたが、まあ令和の今の観点からああだこうだと怒っても仕方のないことです。それでスマホを壊すのもバカらしい。で、二番に入るとEVILが増幅されます。

・女友達のグループで、彼氏の数を競ってて、自慢したかったんだよね~

・ばれる(歌詞にない部分)

・けんかになる(歌詞にない部分)

・「けんかをやめて!ふたりをとめて!私のために争わないで!」

絶望感はさらに増し、むしろ男たちがこの女に拳を向けないかが心配になるところです。竹内まりやもよくこの曲を河合奈保子に提供したな、と思いましたが、ウィキペディア読んでみたら、河合奈保子の歌声に乗せるとよく伝わるように作った、とありました。

なるほど、歌う人を考えて曲を作る、職人気質な楽曲なんだな、私の声で歌ってもそりゃスマホぶん投げ案件になるわな。と思い至りました。しかし一方で、この歌詞を河合奈保子の歌声に乗せて、何を伝えたかったのだろう、とも思うのです。揺れる乙女心?そうなると私はぶん投げ用のスマホを買わねばなりません。

まあ考えていても仕方ないので、そういう「揺れる乙女心」的なものが求められていた時代だったのだ、とざっくり解釈することにしました。発売された1982年を調べてみると「ローマ教皇がイギリスを訪問し、カトリック教会とイングランド国教会が450年ぶりに和解」とあります。分裂のきっかけが王様の色恋沙汰だったと考えると、なかなかに趣深い「けんかをやめて」ではありませんか。考えすぎか。

何はともあれ、今日も一つ賢くなった気がします。日々是勉強。明日はどんな風呂歌が飛び出してくるんでしょうか。「オラ東京さいぐだ」なら、フルで間違えずに行ける自信がある。勉強にはならんけども。