2019年11月8日の日記

名刺を作ろうと思ったのです。

上海から帰国してこちら、演奏の場で名刺を頂くことがあっても、こちらが名刺を持っておらず「イヤ、ハハ、何とも」となることが非常に多く、実に失礼極まりない。そんな状態を約4年ほど放置したうえで一念発起、満を持して名刺を作ることにしたのです。
せっかく名刺を作ることにしたのですから、必要な情報が漏れなく記載され、かつ見やすく、かつ非常に見栄えの良い、できれば演奏も少しくらいうまく聞こえてくれるような、そんなオブジェクトを作りたい。早速無料で利用可能な名刺作成アプリを立ち上げ、思いつくままに必要事項を打ち込みました。
名前(日/英)、演奏する楽器、電話番号、メールアドレス、ホームページアドレス、住所、略歴、資格・免許、趣味、特技、座右の銘
こんなところでしょうか。早速一つ一つの項目について一所懸命に思いを込めて記述していったら、名刺の表面から情報があふれ出さんばかり。字がすき間なく詰められていて非常に読みづらく、耳なし芳一が名刺だったらこんな感じだったんじゃなかろうか、と思えるほどにアバンギャルドな面白さで輝いているのですが、どう考えても実用的ではなく、かつ個人情報がパンパンに刻み込まれていて、流出すればとってもリスキー。
ということで、引き算の発想。どう考えても住所・略歴はいらねえよなと思い、削りました。資格はそもそもないので削りました。趣味・特技は冷静に考えたら趣味・特技に即したような名刺だし、気を抜くと「サッカー」と書いてしまいそうなので、削りました。座右の銘「いいじゃないの、幸せならば」。削りました。
するとどうでしょう、読みやすい、スッカスカな名刺が出来上がり。さあ、こいつをバンバン刷り上げて、バンバン配って限られた個人情報をどんどん世に流出させるぞ!と息巻いていたのですが、よく考えたらこいつを入れる名刺入れがない。ということで私の名刺デビューはもう少し先になりそうです。