2021年9月10日の日記

8月にみなもと太郎先生がお亡くなりになり、驚きとともに「風雲児たち」を再読し始め、ようやく無印編20巻+幕末編34巻を読み終えました。

35巻が出ていれば高杉晋作の品川御殿山の異人館焼き討ち事件を見ることができたのでしょうか(と見せかけて脱線するのがみなもと流)。こんなところで終わってしまうなんてとても酷な話であります。

単なるドタバタギャグマンガに括れない、あまり触れられなかった(自分が勉強してこなかった)帝国主義の世界における鎖国社会・日本の立ち居振る舞いを通して、日本人の在り方、ひいては人間の生き様をビシビシと伝えてくる、我が人生における良書でございました。

今読み終わって昔とは違った読後感が得られるのは、この時代が戦国末期や幕末に匹敵するような混乱の時代だからこそかもしれません。「近視眼的」「事なかれ主義」といった幕府批判がそのまま今のお上にも当てはめられるので、日本人ってこんなものなのかな、と気づかされたり、一方でそんな中でも勇気を持って戦う人を見つけては勇気づけられたり。

もっともっと、みなもと史観における幕末を読みたかったです。蛤御門の変薩長同盟大政奉還戊辰戦争、etc.etc...本当に、残念でなりません。いまさら、改めて合掌。